米ウォールマートは、 Googleの人工知能Googleアシスタントを使った、音声でショッピングができる新サービス「ウォールマート・ボイス・オーダー(Walmart Voice Order)」を公式ブログで発表しました。
Want Walmart to Help You Grocery Shop? With Our New Voice Capabilities, Just Say the Word
“OK Google, talk to Walmart(オッケーグーグル、ウォールマートと会話して)”という事で、新サービス「ウォールマート・ボイス・オーダー」を起動でき、音声で食料品を注文と配達を依頼することが出来るようになります。
近年、ウォールマートは米国全土に張り巡らされた店舗からの配達網を使って、オンライン食品販売でアマゾンに攻勢をかけており、拡大する音声ショッピング市場でアマゾンに迫れるか注目が集まります。
ウォールマートは新サービスを、今後数週間のうちに米国で提供する予定です。
食品のオンライン事業に力を入れるウォール・マート
ウォールマートは、Eコマース分野の事業を拡大して、アマゾンに対抗しており、米国で食料品のオンライン販売事業を強化しています。
アマゾンの多くは大型倉庫から配達を行う一方、ウォールマートは各店舗からの配達を強化しており、米国でアマゾンが提供しにくい生鮮食品の当日配達を中心にウォールマートが攻勢をかけています。
2018年にはウォールマートから一般ドライバーが宅配をするプログラムを開始したり、2019年3月には、オンライン配達サービスの対象地域を100を超える米国の大都市圏に拡大する取り組みを始めるなど、積極的に食品オンライン販売を強化してきました。
1月にGoogleショッピングから撤退していたウォールマート
そのウォルマートは2019年1月に、Googleが提供する音声ショッピングサービス「グーグルショッピングアクション」および「グーグルエクスプレス」から一度撤退をしており、今回新たなサービスとしてGoogleのプラットフォームに戻ってきたことになります。
「グーグルショッピングアクション」サービスではウォールマート以外の製品も扱っていましたが、新サービス「ウォールマート・ボイス・オーダー」では当然すべてがウォールマートが扱う商品になります。また、配送サービスも従来はグーグルエクスプレスでグーグルによる配送でしたが、新サービスではウォールマートの店舗の地の利を活かした、配送が可能になっています。
拡大する音声ショッピングの流れに乗れるか
OC&Cストラテジーコンサルタンツ社は試算によれば、米国の音声ショッピング市場は2018年時の18億ドルから2022年には400億ドルに膨らむと見られています。
同レポートによると音声ショッピングで購入される品目は食品20%、娯楽用品19%、家電17%、衣料品8%で、ウォールマートが注力する食品が最も購入される傾向にあります。ウォールマートは拡大する音声ショッピング市場でも、食品配達を強みにアマゾンに迫ることが出来るか注目が集まっています。