ドイツ銀行のアナリストは、インスタグラムに追加されたショッピング機能によって、2021年には売上が1兆円増えると試算しました。
ショッピングサイト化するインスタグラム
インスタグラムは2019年3月に「チェックアウト」と呼ばれる、写真広告の商品をインスタグラムアプリ内で購入できるようにする機能を、アメリカで試験的に運用を開始しました。
ユーザが「いいな」と思ったら、他のショッピングサイトに移らることなく、その場で買える、新しいスマートなオンラインショッピング体験が提供されたと試験開始から話題になっていました。
また、インスタグラムが抱えるショッピング意欲の高いユーザ層は、商品を提供する企業にとっても魅力的で、チェックアウト機能の試験運用時から、アディダス・ナイキなどのスポーツブランドからプラダ・ディオールなどのハイブランドまでの有名企業が参加を表明していました。
チェックアウトはインスタグラムの収益拡大に向けた大きな一歩
ドイツ銀行は、このチェックアウト機能によって、インスタグラムの収益化が加速できると考えています。
「インスタグラムは新しいオンラインショッピングの体験を作り出そうとしており、2021年には1兆円の売上拡大もありえると見ています。この新しいオンラインショッピング体験のための重要な1歩を「チェックアウト機能」で踏み出したと、我々は考えています。」と語りました。
NEWS CARAVANの視点:SNSがショッピングサイト化する
インスタグラムに限らず、SNSがショッピング機能を提供する流れは、今後ほぼ確実に起こりうる流れです。
例えば、ピンタレストではインスタグラムに先駆けて、既にショッピング機能を提供しており、ユーザの購買行動の認知から購入までをピンタレスト内で完結させています。
動画開始50秒前後から、ピンタレスト上で商品を探す様子、そして「Buy it」ボタンで購入するシーンが映し出されています。
こうした動きを脅威に感じているのは、グーグルとアマゾンです。従来SNSで「いいな」と思ったユーザは、グーグル検索で商品購入サイトを探すか、アマゾンで購入手続きをしていましたが、SNSでショッピングが完結すれば、グーグルやアマゾンを使わなくなる恐れがあるからです。
SNSのショッピングサイト化の動きについては、過去にこちらの記事でも詳しく触れています。
この記事の後にインスタグラムがチェックアウト機能を試験運用し、ドイツ銀行がビジネス規模を大きく見積もるなど、SNSのショッピングサイト化の動きは加速化する傾向が今後も続くと思われます。